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日本と英国を行き来する2人のバイリンガルキッズの母。ロンドンで生まれた子供たちを連れて日本へ。横浜で英語で創作絵本を作るキッズ・クリエイティブ・ライティングの教室を開き、英語の絵本の出版。小学校で不登校になった息子を連れて、またまた英国へ。イギリスの自然と息子のテニス・トーナメントの応援と野菜作りを楽しむ日々を過ごしていましたが、社会人学生として大学に入学。

2014年7月25日金曜日

不登校生の漢字の勉強法

GCSE 日本語試験

日本から英国に引っ越した1年目にGCSEのJapaneseの試験を受けた息子。全く試験準備も行わず望んだ試験。それでもグレードCを取れました。

日本の小学校で不登校生だった息子が初めて受けた公式な全国学力試験。 英国に来て義務教育修了学力試験と言われるGCSEを一つ取った息子。

 いくら日本に住んでいたと言っても、そんなに簡単にGCSEの日本語の試験を受けて合格できるの?
不登校生で小学校での勉強をしないでも、GCSEの日本語試験は合格できるの?
漢字の勉強をしなくても大丈夫なの?
そんなにうまい話があるの?

多分、このブログを読んでいて、こう思われた方もいるでしょうが。

 「そんなうまい話はありません。」 

日本での不登校時代には鉛筆を持たせても何も書けずに真っ白な紙とにらめっこしていた息子が、イギリスへ転校して小学校に通えるようになったからといって、いきなり漢字やひらがなの勉強をできたわけではありません。

 不登校生の漢字の勉強法


日本で小学校1年生から学校へ行き渋りが始まり、4年生まで不登校生だった息子。

もちろん勉強は同級生に比べて大幅に遅れていました。 字を書くのが苦手でひらがなも書けたり書けなかったりした息子。

それでも、息子には一つだけ「僕、この勉強はできるんだ。」というものがありました。

それは字を書くのは苦手でも、字を読むのは得意だったのです。漢字を読むのも大好きでした。

 30日の欠席により正式な不登校生になった息子を訪ねて校長先生の家庭訪問がありました。
「学校で勉強しなくても、勉強はできます。息子さんは向学心があるので大丈夫です。」と心強い言葉をかけてくれた先生。

「その代わり本などをたくさん与えてください。」という校長先生のアドバイスもあり、息子が興味をもった図鑑や本はなるたけ手に入れていました。できるだけ多くの資料に触れてもらいたいと朝から自転車で図書館まで通ったり。

その内、姉が学校に行き、朝ごはんの片付けをしていた後、気が付くと息子は自分の部屋で図鑑や本を読んでいました。

 日本語の素晴らしいところは、ひらがなが読めればルビの付いている漢字は全て読めることです。

カタカナも素晴らしい。どんなに難しい恐竜や星の名前も世界の国々の名前もカタカナが読めれば発音できるわけです。

50のひらがな(カタカナ)の音と字を覚えれば、どんな名前も読める。26文字で40以上の音を作る英語とここが違います。 

英語は単語のつづりと発音の関係が複雑で、7歳の息子が一人で本を読んで独学できるのは難しかったかも。一人で百科事典を読み進めている息子を見ると、日本語だからできるのかなと思ったりしました。

ひらがなやカタカナを書くのもままならない息子でも、読むのはすごい速さ。字を書かせようとしてもできない時は何時間もかかるのに、同じ字を読むのは瞬時にできる。

 ゲームをしている子供達を見ているとわかると思うのですが、息子もすごい勢いでゲーム機に現れるコメントを読んでいきます。

 「本当に読んでいるの?」と聞くと、「もちろん。読まないとストーリーがわからなくなるから。」

足りないものをあるもので補うと言うのはこういうことか。これを自然の法則というのかな。
妙に納得する母でした。

「無いならいい。あるものだけを見ていこう。」


不登校生になっても自分なりに自然に成長していく息子を見て『足りない力を嘆かずに、息子の持つ力を信じていこう』と、自然に思うようになった母でした。

 子供の為の本や図鑑以外にも、ひらがな・カタカナだけでできている文章や、ルビの付いている読み物は身の回りにたくさんありました。

机に向かって勉強しなくてもどんどん漢字の読みの力をつけていく息子。学習とは色んな所からできるものだなぁと実感する母でした。

 不登校生といっても家にずーっといることはありません。 学校に来ないで家でボーっとしているのだろうと思われているかもしれませんがとんでもない。

不登校生は学校に行けない分、それはそれで、病院だの、カウンセリングだの、不登校生専門の施設だの不本意ながらいろんな場所に連れて行かれるのです。 

外出すると「これなんて読むの?」と広告や標識の漢字を指さして聞いてきたり、スーパーで食材の名前を読むのは大好きな息子。調味料も読んで細かく説明してくれます。

電車の吊し広告は嫌が上でも子供の興味をそそります。最近は電車の中でビデオが流れたりして、漢字クイズのビデオを楽しめたりします。

学校のカリキュラムにそって習わない彼の漢字の勉強はいろんな分野に広がりました。

そのうちに、高学年の姉に小学校で習わない漢字の読み方を教えるようになった息子。

そんな息子の姿を見て、校長先生の「学校のカリキュラム通りに勉強ができなくても、最終的に社会に出る時どんな力を持っているかです。」と言う言葉を思い出しました。

学習指導要領に沿って漢字を覚えられなくてもいいじゃないか。」と不登校生を持つ母の焦りは少しづつ和らぐのでした。

不登校生の漢字の勉強法 学年別漢字配当表 全数1006字 資料:文部科学省
学年別漢字配当表 小学校で習う漢字全数は1006字 

小学校で習う漢字表ポスター 学年別漢字配当表 


不登校になってから学年がかわり、だんだんクラスで勉強していた頃が遠く離れた過去のことみたいに感じる様になっていきました。

学校に関する事に不安を感じている息子は、学校から届く宿題の紙や時間割の紙を見ることもありません。

同級生が学校で今どんな漢字を勉強しているか息子はよもや知ることもないだろうと思っていました。

ある日、「この漢字はまだ2年生では習わないんだよ。これは5年生で習うの。」と言う息子。

「どうして知っているの?」
「いつも漢字表を見ているから。」

姉の勉強にと居間の壁に貼ってあった学年別に分けられた小学校で習う漢字表のポスター

毎日学校で勉強できない分、自分で勉強しないといけないと潜在意識がさせたのか。

ふと気が付くと息子はこの漢字表の前に座っていました。最近、見かけた漢字を探して「この漢字は3年で習うんだよ。」「この漢字は小学校では習わないんだね。じゃあ、まだ習わなくても大丈夫だね。」 

学校で毎日クラスメイトと一緒に授業を受けることがなくても、クラスメイトがどんな勉強をしているのか、どんな漢字を習っているのか。不登校生になっても、学校での勉強がいつも息子の心の中にありました。



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